新居のインテリア計画の第一歩が「既存利用していた家具の処分」です。
購入した新築住宅(戸建て住宅、マンション)が対象となりますが、現代の生活環境を考えたときに
効果的なインテリア計画とするための最大のポイントとなるのが「セミオーダーの造作家具活用」です。
引越し時に、どうしてももともと活用していた家具類を少しでも新居で活用したいと考えてしまう人が
多いのではないかと思いますが・・。新生活の心地よさを考えたときには、なるべく「既存の置き家具」
は処分することがひとつのキーポイントとなるものです。
基本的に、近年の新築住宅は戸建て住宅でもマンションでも、「造作家具」を最初からなるべく多く
取り入れた設計となっています。個々の部屋の使い方を想定した上で、効率的なサイズ・容量の収納スペース
(造作家具)を確保する他、廊下などにも、納戸・収納スペースを可能な限り計画されています。
下駄箱なども、壁面収納として十分なスペースを確保しており、昔のように「下駄箱」を置き家具として
持ち込む必要はなくなっています。
それどころか、靴収納スペースがウォークインタイプの収納空間となっている住宅もありますし、
物件によっては、
外部廊下脇に「外部空間収納スペース(物置スペース)」が計画されていることもあります。基本的には
、販売されている住宅そのものに十分な収納スペース(造作家具)が設置されているのです。
ゆえに、多くのケースで今まで使っていた家具収納類を新居に持ち込んでしまうと、単に「居住空間を圧迫してしまう」
こととなるんですね。「もったいない」と考えることは、新生活から心地よさを失わせる要素となるものと考え、
既存の家具は思い切って処分してしまうことが新居のインテリア計画を行うための第一歩と考えていただければと思います。
新築住宅の効果的なインテリア計画。「セミオーダーの造作家具の活用」と「既成品家具」の使い分け。
現代の住宅インテリア計画において、基本として押さえておきたいのが、「置き型家具(既製品の家具)をいかにして
必要最小限とするか」ということです。別の言い方をすると、「セミオーダーの造作家具を効果的に活用する」ことが
ポイントとなるのです。「セミオーダーの造作家具」と「置き型(既成品)家具」の使い分けが大切な要素となるという
ことです。
まず、「置き型(既成品)家具」を活用したほうが良い要素となるのが、「ベッド」「ダイニングテーブル&椅子」
「机」「ソファ&ローテーブル」です。原則、衣服・小物などは、新築住宅に備えられている収納スペースにて
対応するように計画するようにしましょう。それでも新居に”衣服・小物の収納スペース”が足らないという
場合には、「セミオーダーの造作家具(壁収納)」を活用するのが効果的な計画となります。
また、「セミオーダーの造作家具」としたほうが良い要素となるのが「TVボード&リビングの収納」です。
リビング空間に、置き型家具(既製品家具・収納)を点在配置してしまうと、せっかくのリビング空間が
狭く感じる要因となります。家具・収納類を点在配置するのではなく、思い切って壁一面をセミオーダーの
壁面造作収納としたほうが、機能的にも効率的で、居室空間の印象としてもスッキリと納まり、広さを保つ
ことに繋がります。
- 既存で活用していた収納家具類は、可能な限り処分。「ベッド」「椅子&テーブル類」のみとしましょう。
- リビングに設置する収納家具(TVボードなど)は壁面収納として、セミオーダーの造作家具活用が効果的!
既製品の家具と比較して、セミオーダーの家具は価格的(価値観的)にも、割高なわけではありません。
ちょっと、”造作家具”に関してお話をしておきたいと思います。一般的に、造作家具というと高価なものという
イメージがあるかと思いますが、実際には、そういうわけでもないんですよね。基本的に単純に「価格」を数字だけで
判断してしまうと、「5万円」よりも「10万円」のほうが高価な商品ということになりますが、実際には、商品の「品質」
を加味した価値観で考えなければいけないものです。同じ”花瓶”という商品であっても、紙で出来た5万円の花瓶と
金で作られた10万円の花瓶とを比較したときに、価値観からすれば、「10万円の金の花瓶」はとても安く、逆に
「5万円の紙の花瓶」はとても高いものとなったりするものです。
当然、家具も同じ。素材・デザイン・特性を含んだ「品質」を加味した価値観を基準とした場合、既成品の家具よりも、
セミオーダーの造作家具のほうがお買い得となることも案外多いものなのです。
ちなみに、当方にて「セミオーダー家具のコーディネイト業務」も行っています。建築士を通じて、セミオーダー家具
業者に家具依頼をすることで、価格的にもかなりの割安(内容によって異なりますが、10〜20%程度は割安となります。)
でセミオーダー家具を購入することが可能となります。地域的には東京・神奈川・埼玉・千葉北部が対象となりますが、
ご興味がある方は、こちらのHP(造作家具”ご検討のお手伝い!!「造作家具のコーディネイト」)
をご参照いただければと思います。
造作家具にも種類があるもの。造作家具業者によって、品質と価格にも大きな違いが存在しています。
造作家具と呼ばれているものには、「フルオーダー家具」と「セミオーダー家具」の2種類があります。 「フルオーダー家具」の場合には、注文希望に沿って「色・柄・素材」「デザイン」「サイズ」が物理的に可能な 範囲で創作することが可能です。「セミオーダー家具」の場合には、「素材・色・柄」「デザイン」「サイズ」 に制限があります。事前に選べる範囲が決まっているんですね。それらを、組み合わせる形で造作家具を 計画していくことになります。
*フルオーダー家具の特性とセミオーダー家具の利点。**
フルオーダー家具は、セミオーダー家具と比較して価格が高いもの(割高)となります。その
変わりに、自由に色・柄・デザイン・サイズなどを計画することが出るのですが、私が建築士としての経験
を通じて言えるのは、一般住宅においては、フルオーダー家具は不要(効率的では無い)と思っています。
一番の理由が「依頼するフルオーダー業者」によって、出来上がった造作家具の品質・出来栄えに
大きな差がありすぎるから。フルオーダー家具の場合には、「誰(職人)が作るのか」によっても仕上がりに
大きな違いが出るのです。セミオーダー家具の場合には、あまり酷い出来栄えとなることはありませんが、
フルオーダー家具の場合には、出来栄え自体が酷いということも時折あるんですね。
みうひとつの理由が、一般住宅において「収納家具」を作る上で、「適切な家具サイズ」というものは決まっている
からなんです。衣服の収納を考えたときなど、ハンガー掛けをして衣服を吊るすために必要となるサイズという
のは、概ね決まっているのです。(モジュールと呼ばれるサイズがあるのです)50cmの奥行きがあれば
十分だとすれば、それサイズを55cmにする必要などは無いわけです。一般住宅の収納家具のサイズモジュール
は決まっているので、フルオーダーでモジュール外のサイズを作る必要が無いのです。
ただ、フルオーダー家具の利点となるのが、
実績と技能が確認できている、匠の家具職人さんに依頼することが出来たとき、セミオーダーでは味わうことの
出来ない素晴らしい機能性とデザインの造作家具が創出されるということ。でも、実際にはそのような信頼が置ける職人さんを
見つけることが案外難しいものなんですけどね。また「無垢の木製家具」を造作するときには、フルオーダー家具が最適
となります。(セミオーダー家具では無垢木材の家具かほとんど無いので)
一般的な化粧合板(メラミンなど)を利用した造作家具を作るのであれば、セミオーダー家具と
したほうが良いものとなります。
大規模地震時に、最大の危険要素となるのが「置き型家具」なのです。
もうひとつ、新築住宅にて「置き型家具(既製品の収納家具)」をなるべく使用しないほうが良い理由となるのが、
「大規模地震時の危険要素を排除する」ということです。何故か、大地震というと「家の倒壊によるケガ、命の危機」
を思い浮かべる人が少なくないようですが・・。近年の住宅品質(建物構造)傾向から考えると、「家の倒壊」の心配は
ほぼ無いと考えていいものとなっています。(違法建築やかなり古い住宅は別ですよ。あくまで近年建築された建物の場合です。)
実際に大規模地震時にケガや命の危機をもたらす最大の要因となるのが「置き型家具」なんですね。
特に、高層マンションの高層階住居の場合などは、置き型家具がまさに殺傷兵器となってしまうことが
あるのです。家具が地震の揺れによって、2m〜5mくらい吹っ飛ばされたり、すごい勢いで行き来・移動するのです。
その家具によって、大きなケガを負ったり、命を失うことに繋がってしまうこともあるわけです。
セミオーダーの造作家具は、基本的に壁などにしっかり固定するもの。大規模地震時にも、大きく移動してしまう
ようなことがありませんので、危機管理上でも有効な家具となるのです。
NEXT>>>新築住宅の家具選び!「既成品家具とセミオーダー造作家具の上手な使い分けポイント」はこちら。
- 一般住宅(マンション、戸建て住宅)の収納家具には「セミオーダーの造作家具」が効果的。
- 置き型家具は大規模地震時の危険要素に。セミオーダー造作家具とすることで、危険要因を無くすことが可能に。